九州橋頭堡27
「八貫の死、迫る」

副棒案 八貫率いるスーパー・イラン勢は大きな打撃を受けた。
しかし、完全に敗北を認めたわけでは無い。
残存勢力を糾合し、再度反撃を行う余力が無いわけでは無かった。
収容される天草が、担架で運ばれてきた。

「ぬう、怪獣宝玉さえあれば・・・」
八貫には、鉄人像の他にも切り札があった。

怪獣宝玉・・・。
はるか奈良時代に、日本を荒らしまわった怪獣達を封印した宝玉。
それを副棒案家は手に入れていたのである。

しかし、しかし・・・。

挙兵3日前、怪獣宝玉の封印を、八貫自ら解いていたのである。
封印を解かれた怪獣は、日本の騒乱を鎮めるために向かっていた、米軍
第11艦隊に向けて進撃させていたのである。

米軍艦隊と怪獣は、相討ちにさせる。
しかし、鋼鉄巨人像さえあれば、日本を制することができたはず。

そこで、八貫のもくろみは崩れていた。

長江清見将軍は、全軍の混乱を鎮めつつ、竜王山地下本堂に向けて撤退を
考えていた。

しかし、佐東将軍は無謀にも再度の攻撃を主張。意見が分かれていた。

八貫は思案した結果、長期戦を構想。

現戦線を維持すべく長江将軍に指令を出し、現地に応急陣地の設営を命じた。
この、寒水川周辺に、応急陣地を設営したのは、決断力が低下していたのであろうか。
両方の意見を折衷した策に出たと言える。

残存砲は、佐東の指示により高地から真・日本国軍に散発的な砲撃を加える。

しかし、八貫に、死の罠が迫りつつあった。

現戦場に陣地構築の動きありとの情報が、現地部隊の偵察員により入手され、日本側
では、作戦を中止し、忍者部隊総員による、空挺攻撃に切り替えることになった。

3日間で、空輸機と作戦準備を行う。

その間、六貫による降伏勧告等で時間を稼ぐことにする。

準備はすぐに開始された。
メガホンを持つ六貫坊が、トラックの荷台に立ち、陣地設営中のイラン側に放送を
開始した。

その間、零式輸送機6機に、80名の精鋭を乗せ、一気にイラン軍中枢部に降下。
それと同時に、前線で総攻撃を開始することになる。
敵陣突破用に、九七式中戦車6両が用意された。

忍者部隊は、精鋭中の精鋭で、伊賀忍者、甲賀忍者から選ばれた精鋭と言われる。
総員、忍者刀をはじめとした得意武器や、百式短機関銃を装備している。
過去の空挺作戦の戦訓を取り入れた奇襲作戦である。

空挺部隊の目標は、副棒案 八貫 その人である。

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