九州橋頭堡15

「スーパー・イラン帝国」

上陸した猫舌派軍隊の攻撃で、反乱諸派の部隊が敗れつつあった頃、その盟主である
スーパー・イラン帝国軍は、残留米軍に攻撃を加えつつあった。

米軍は結局、本拠である「幽霊館」周辺に立て篭もることになる。

幽霊館を包囲する反乱軍。
その指導者であるのが、スーパー・イラン帝国総裁である。佐東プートン将軍であった。
自らオーダーメイドした緑色の軍服に、自作の勲章を多数佩用している。
そのそばに居たのは、泥棒田コウモリマンを暗殺した名探偵 長江 清見であった。

「九州の米軍の戦力はもう尽きたな」
「うむ・・・あとは、逆上陸した日本勢力を倒すだけだ」
重々しく佐東将軍はうなずいた。

その時である。部下の伝令が包囲軍の中から、佐東将軍の所へやってきた。

「巨大鋼鉄神像を確保しました」

リヤカーが出てくる。将兵らは歓喜の声を上げた。
リヤカーの中には、黄金製の箱があった。

「古代イランの伝承に出てくる巨大鋼鉄神像・・・」
長江がつぶやいた。
佐東将軍は、箱の中からあるものを取りだした。
「神像を操る神の護符だ」
黄金製の護符を手に取る佐東将軍。
「私の祖先は、古代イランの神官である。フンン!!」
佐東将軍が両手に護符を持って祈ると、天が暗くなった。
「!!!」

「ふんにゃ。ふんぬ。ぬううん!!」

彼らには見えなかったが、長崎の地底にある神殿が地響きを起こして地表に姿を現していた。
それは、長崎にある米軍補給廠近くであったが、そこの米兵たちは、神殿から現れた、巨大な
ロボットのような存在に壊滅させられていたのである。

佐東将軍が、祈りを終えた。

「巨大鋼鉄神像は、九州沖のアメリカ艦隊を壊滅させるために動き出した・・・」
「ほ、本当ですか?」
さすがに長江も半信半疑だった。

しかし、しばらくして部下が差し出したラジオ放送により、尋常でない状況が発生したことを知る。

「九州沖の米国艦隊は、謎の地震で壊滅しました」

これぞ、巨大鋼鉄神像による地震攻撃であった。




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