国会議事堂戦9

「歯ブラシの秘話」

3階の自称神は、死んだ。
チャーハンのクリスタルも、回収できたら何かに使えそうだが
破壊したものはしかたがない。

自称神の部下は比較的少なく、3階はボスが死んだ後簡単に制圧できた。
一同、4階へ進む。

階段の上から小銃や手りゅう弾で攻撃する外道川軍。
しかし、それらを排除して、でかいダイナマイトを投擲し、一掃した。

一気に4階へ突入する猫舌達。

どうやら、4階には多くの敵がいるようである。
激しい銃撃戦が展開される。

そのうちに、外道川軍はだんだんと圧倒されて行く。

「これしきのことで情けない!!」

ついに4階を統率するボスが登場した。
皮の鎧を着用し、盾を持つ戦士。
そして武器は拳銃。

「俺は、歯ブラシ大将軍、タイタンこうじGだ!!」

そう言うと、歯ブラシ大将軍は、拳銃を乱射して襲いかかった。
バキューン。ズダーン!!
「うわっ!!こいつも強い!!」
タイタンこうじGは、ヘートマン2世並の腕前があるようだ。
突撃した兵士達が、たちまちタイタンこうじGの銃弾に倒れる。
「でやあー!!」
銃剣で刺突した兵も、攻撃を盾で防がれた。
「未熟な!!」
その兵も、銃弾に倒れた。

「チャーハン野郎よりは見かけはみすぼらしいが、只者では無い」
虎臣が言った。
「さて、どうするか…」
皆、遮蔽物の陰に隠れる。

その時である。
猫舌が後ろから言った。
「あいつ…知ってる顔だ!!」
「なんですって?」
板橋が言う。
「昔住んでた家の近くにいた少年に酷似している。」
「知りませんが、どういう名前の家ですか?」
虎臣が言った。
「えっと…忘れたが、たしか名前はタカシだった。椎座の知り合いだったんじゃが」
「説得できますか?」
勝乃が言った。
「やってみる。」
猫舌が紙をメガホンのようにして言った。

「タカシ!!ワシを知っているじゃろう!!」
「ムムッ…猫舌か??」
「そうじゃ。昔お前が学校でカンニングをやったことを見逃したこと、忘れてはいないだろうな」
「…!!」
「あの時、お前を助けていなければ、今のお前は存在しないのだぞ!!」
「…」
「さあ、悪の外道川に味方せず、こちらに投降しろ。悪いようにはせん」
「…わかった」

部下もあらかた倒されていることもあり、タイタンこうじGは降伏を決意した。

しかし…

バキューン。

一発の銃弾が、タイタンこうじGを貫いた。

「!!!!」

「兄さん…」
タイタンこうじが言ったその先…上への階段の前に、鬼崎が居た。

「タカシ!!貴様、兄であるオレを裏切るとは何事だ!!」
「すまない、兄さん…」
「死ね!!裏切り者!!」
ズダーン!!

タイタンこうじGは死んだ。

「兄??タカシの兄か!?」
猫舌が言った。
「知ってますか?」
板橋が言った。
「椎座の上級生で、鬼崎とか言う陰陽師か何かの家系の養子になったとか…」
「すると、ヤツが黒幕に近いと言うことですな…」


そうこうする前に、鬼崎の背後から、異形の怪物が現れた。
下半身は腐敗したクリーチャー。上半身は、異次元の生物っぽい感じ。

「馬分大将軍 戸打魔 期読売!!行け!!」

鬼崎は命令した後、上の階に上がっていく。
「グオオオオ!!!」
馬分大将軍は、大声で叫びながら、突進を開始した。

怪物の下半身から砲弾が射出される。ズガーン!!
さらに暴れる戸打魔は、電撃を放出しはじめた。

「なんという強さだ!!」
「撃て!!撃てーーー!!」

一斉に射撃を行う一同。
効果があるのか無いのかわからないが、とにかく暴れる勢いは減らない。

「ポッカイロ爆風波!!」

上半身のヒューマノイドの手から、衝撃波が発生し、皆吹っ飛ばされる。

「貴様ら、俺には勝てんのだ!!」
「声が・・・変わった!!」
急に、戸打魔の声が変わった。

それは、どこかで聞いたような声なのだ。

「俺は…善の公比居大将軍 ポッカイロ・龍五郎だ」

「何だと!?」
その声は、ポッカイロ・龍五郎に似ていた。

「貴様は先ほど死んだはずだ」
虎臣が言う。

「確かに、俺は一度死んだ。だが」
戸打魔 期読売は少しどもった。
「俺は死後、悪の部分だけ豆腐界に行き、善の部分はこの世に生き残ったのだ」
「わけのわからないことを!」
戸打魔はそれでも言葉を続けた。

「我々外道川の非礼は詫びよう。そして君たちは我々のことを許してほしい」
「何をいまさら」
「世界平和のためなのだ。こんなことを続けるわけにはいかない」
「非常にウソ臭い」

戸打魔の表情が変わった。

いや、性格に言えば、顔がポッカイロ・龍五郎の顔に変貌した。

「ならばしかたない。平和のために、死ね!!」

再び、戸打魔 期読売が暴れ始めた。

「ポッカイロタイフーン!!」
手から竜巻が生じ、部屋の中で暴風が発生した。
「フィンガーファイヤー!!」
両手の指から火炎弾が発射され、そこらじゅうが火の海になる。

「くそっ、これまでに戦ったヤツより強いじゃないか!!」
「戦え!!とにかく倒すしかない!!」
死傷者も続出し、皆疲労していた。

「触手ブリザード!!」下半身の触手から吹雪が吹き荒れる。
「ギガントブラスター!!」
目から、ビームが発射される。

「うわーーーっ!!」

猫舌以下、全員が気を失った。

「勝ったぞ!ゲハハハハ!!」

戸打魔 期読売の勝利の声がこだました。

しかし、天界でそれを見ていた者がいた。
それは、ナメクジ戦争の神である。

「ポッカイロ・龍五郎…やつは死ぬべき存在だが何者かが命を生きながらえさせたか」
ナメクジ戦争の神は、少し考えた後、両手をかざした。

「ルールに反した存在の命は、生かしておくわけにはいかない」

そのとたん、猫舌達に明るい光が差し込んだ。
猫舌達のキズや疲労は瞬く間に回復した。
「こ、これは!?」
おどろく猫舌達。
「なんだこれは!?」
もっとおどろいたのは戸打魔 期読売だった。

さらに神は言った。
「豆腐界に沈め、馬鹿ものが!」

展開から、巨大な雷が降ってきた。

そして、戸打魔にその雷は直撃した。
「ノギョエーーーーーーー!!」
馬分大将軍 戸打魔 期読売 は、まっ黒けになって死んだ。

「これは…神の軌跡か!?」
猫舌達は、黒こげになった戸打魔の死体を見て信じられなかった。


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