国会議事堂戦8

「暴風、弾幕チャーハン」

「噂には聞いていたが魔法『元』少女がこれだけの者だったとは」
猫舌は感慨に耽っていた。
まさかその魔法『元』少女達が自分の娘とその友人だったとは知らずに。
「アドミラル、上にも強力な魔力の持ち主を感じます。
気を付けて下さい。」
マリアが猫舌に告げる。
「そうか、上の階にも恐ろしい連中が潜んでいるのか…だが君達が居れば百人力だ」
猫舌はそう言って部隊の態勢を整えさせた。


猫舌達は3階に到達した。
先程のエコー王とはまた違った禍々しい気配がする。
それは魔力がまったく無い猫舌ですら感じるぐらいである。

「御機嫌よう、諸君」
猫舌達は視線を声の方に向けた。
そこにはツタンカーメンの面を着け、黒のタキシードを着た男が居た。
「ごきげんよう」
マリアは反射的に挨拶を返した。
「私は、『魔教皇大将軍 火後の神 キングブラスター』」
鷹揚に自称神様は名乗った。
(『王』の次は『神』か…あの無神論者〔払 金剛〕を連れて来るべきだったな)
ヘイゼルはそう思った、多分同期の人間は皆同じ事を考えただろう。
「諸君らには早速だが、チャーハンを食べてもらおう」
神はクリスタルを手に持ち、そう言うと部屋にあった家具が次々と熱々のチャーハンに変わった。
そして熱々のチャーハンは此方に向かってくる。
「あ、あれは?!」
「知っているのか、マリア?」
マリアが驚いた事にヘイゼルは問うた。
「『チャーハンのクリスタル』よ」
「そんな物があるの?」
マリアの答えに思わずタイガーが言った。
「本当に在ったとは…」
マリアはそう答えながらまじまじとクリスタルを見た。

飛び交うチャーハン、必死に避ける猫舌達。
そんな混乱の中3人の魔法『元』少女は物影に隠れて変身を解いた。
魔力的に長時間の変身は出来ない様だ。

「虎臣、『前虎後狼』だ」
不意に現れた余が虎臣に話しかける。
「Okay!」
蘇格蘭訛りの入った返事で虎臣は構えた。

「フォー・ザ・エンペラー!」
虎臣は走りながら毘沙門堂護郷(ごごう)二尺五寸一分を抜刀し叫んだ。
「愚かな、チャーハンの餌食になるが良い!」
『神』はクリスタルを構えて虎臣にチャーハンを集中しようとする。
小さな銃声が響いた。
「!!」
『神』の手に握られていたクリスタルは粉々に砕け、『神』は手を怪我した。
『神』の後ろには減音器をつけたナガンM1910リボルバーを構えた余がいた。
「これでフィナーレにしよう、スーパーチャージ!」
虎臣の強烈な突きが『神』を貫いた。
「ぐぁぁぁぁああッ!」
『神』はその場に崩れた。


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