国会議事堂戦12

「復讐者」

「逝ったか…」
爆発で揺れる部屋の中で、これ以上泣くまいと堪えていた鬼崎は
涙を浮かべた顔で死人降臨術で召喚した者に話しかけた。
「皆の仇をとってくれるな?」
無言で肯く死人、鬼崎はその姿に満足して8階へ上がっていった。


「自らを犠牲にしてまで儂らを倒そうとするとは…敵ながら天晴れだ、
『掃除大将軍 岸岡 王四郎』その名を忘れぬぞ 」
猫舌もその健闘ぶりに涙していた。

爆発で目茶苦茶になった6階を通過して7階に着いた。
床には怪しげな模様と猫舌には読めない文字が書いてあった。
「これは…死人降臨術を使ったんだね」
そう言う事にも詳しい菊代が片膝を着いて床の文字を調べる。

「ここが貴様等の墓場だ、覚悟しろ!」
声と共に現れた男…将鞭大将軍 バルバリーゴ・天婦羅はゆっくりと猫舌達に近づいてくる。
「馬鹿な、ヤツは菊代にシカゴタイプライターでミンチにされたはず…本当に死人が生き返ったの?!」
虎臣は驚いたが、冷静に考えれば馬分大将軍 戸打魔 期読売の事やそもそも虎臣自身が魔法少女だったと言う
非現実的な存在である訳で今更これくらいどうと言う事は無い。
「鬼崎様の死人降臨術でオレは豆腐界から蘇ったのだ。貴様等…特に妙音寺 菊代、お前を豆腐界に送る為にな!」
バルバリーゴが菊代を指差した。
「変なのに好かれたね」
「他人事だと思って!」
虎臣の言葉に菊代は抗議した。

「死ねぇーーー!」
ゾンビバルバリーゴは毒瓦斯を吐いた。
「装面!」
猫舌は防毒面を着ける様に指示し、全員素早く面を着けた。
「おねえちゃん、よっちゃん、行くよ!」
菊代が駆け出した、余と虎臣も走り出す。
「狐の嫁入り!」
菊代が呼び出した、空中を浮遊する炎の列がバルバリーゴに向かって近づいて行く。
「投箭!」
余がバルバリーゴに対して鉄製の鉛筆の様な物を投げつけた。
バルバリーゴの眼に的確に刺さる。
「ぐぉぉぉーっ!」
ゾンビ化しても痛覚はあるらしく効いている。
「安全靴キック!」
気配を消して近づいた虎臣は容赦なく安全靴の爪先でバルバリーゴの天婦羅を蹴った。
「ぎゃぁぁぁ!」
バルバリーゴの悲鳴が木霊する。

「姉者、後は任せた」
そう言って虎臣達は引き下がった。
「まったく、貴様と言う奴は…ブツブツ」
榛名は愚痴を言いながら抜刀し構えた。
「六正刑!」
バルバリーゴは牢の様な空間に閉じ込められた。
さらに空間ごと蹴飛ばされ、何処からともなく現れた水に流された。
両方の首を刎ねその首を梟首すると、胴体を磔にして両脇から槍で突いた。
榛名がエグイ技をかますと阿武隈がバルバリーゴの頭上から小船に乗って降ってきた。
「阿武隈舟下り!」
バルバリーゴを潰すと三春が更に飛び掛った。
「三春滝桜!」
アズールMM31拳銃を2丁構えバルバリーゴの斜め45度上から滝の様に弾丸を中て再びミンチにした。
菊代の出した炎の列が今頃になって到着しバルバリーゴは荼毘に付された。


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