国会議事堂戦11

「覚悟」

国会議事堂の戦いもすでに終盤に差し掛かろうとしている。
連携攻撃を見破られ、吉原居候 ゴキタマを失った鬼崎。
彼もまた傷ついていた。

「このままでは…我々は敗れる…どうすれば良いのだ…」
弱音を吐く鬼崎。兵たちが応戦しているが、6階へも敵が来るのは必至。

「死人降臨術ヲツカウベキデス。死者ヲツカイ兵力ニスベキデス」
最後に残った 掃除大将軍 岸岡 王四郎が鬼崎に言った。

「そうか!!その手があった!!しかし、あの術は時間がかかる…」
鬼崎は苦悶した。

「時間ハオレサマガカセギマス。コレマデニ死ンダ将軍ヲ復活サセルノデス!!」
岸岡王四郎は断言した。

「岸岡…貴様、まさか時間を稼ぐために捨て駒になるのか!?」
驚愕する鬼崎。しかし岸岡の覚悟は変わらなかった。

「勝利ノタメナラ、死ヌ覚悟ハデキテイマス」
鬼崎は、決意した。
「よしわかった!!これより死人降臨術を行う!!岸岡!!頼む!!」
「マカセテクダサイ」
「もしも我らが勝利する時が来れば、岸岡、お前が最大の功労者だ」
「弟星デアル吉原居候 ゴキタマノカタキ、取リマス」

岸岡王四郎は、翼をはばたかせて言った。

涙を浮かべながら鬼崎は、7階へ行った。

7階で鬼崎は、死人降臨術の準備をはじめる。
その頃、ついに防衛陣は突破され、猫舌部隊は6階に到達した。
「貴様がボスか!!」
「コレ以上、進マセルワケニハイカナイ」
岸岡は、毒ヘビを放出しながら、猫舌達に突撃をかける。

7階で鬼崎は魔法陣を構築し、いけにえを用意した。
おしんこ、奈良漬、ケバブ丼…。
「オンヨ、オンニョ!!」
鬼崎は呪文を唱え始めた…。

「フオオオオオーーー!!」
岸岡は、孤軍奮闘していた。鬼崎の時間を稼ぐために。
体当たりで、板橋を弾き飛ばす。
「ぐおっ」
「鬼崎様のカタキダ!!」
「大丈夫か!?」
「なんのこれしき!!」
岸岡は、口から毒ムカデを吐きだした。
「クラエ!!」
「なんというやつだ!!」

鬼崎の呪文は続く。
(時間が無い…全員の復活は無理だ。一人にしぼるか…)
鬼崎の死人降臨術の作業は続いていた。

「グオオオー!!」
岸岡は、手榴弾の攻撃でダメージを受ける。
「マダマダーー!!地下世界デ勇者ト言ワレタオレサマヲナメルナ」
岸岡の左手の指がロケット弾となって降り注ぐ。
「シュビヂュワアア!!」
「ええい、ひるむな、撃て!!」
激しい銃弾が岸岡に降り注ぐ。
「モーッ、モーッ!!」
ついに致命傷を与えたようだ。

ピーッ。ピーッ。

岸岡の体が点滅しはじめた。
「なんだヤツは!?」
いぶかる板橋。

「死ノトキガ来タ…」
岸岡がそう言った。苦しそうだ。

「サタニウム298ノ制御不能、臨界デス…」
ピピピピピ…。
警報音が鳴りだした。
「モハヤコレマデ。貴様ラミチヅレニスル。サタニウム298、暴走…」

「やばい、やつは自爆する気だ!!逃げろ!!」
猫舌達は、下の階へ逃げだした。

「サラバ、オレサマ!!ワガ青春ヨ!!」

ドッカーーーーーン!!
制御できなくなったサタニウム298が岸岡の体内で爆発した。

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