九州橋頭堡21
「空襲」

富士川隊に動きがあり、真・日本国軍との激しい銃撃戦が展開。

その一方で、末定軍が勇壮な突撃を敢行していた。
「かかれー!!」
しかし、末定軍は訓練されていない市民をも軍勢に従えていたらしく、
防御側の銃撃をもろに受けて、隊員は次々に倒れて行く。

富士川隊は奇襲になるような形で真・日本国側の緩みに乗じた形。
混沌とした情勢が、北九州地区に発生していた。

スーパーイラン帝国軍も、主力が移動を開始しようとしていた。

その頃、満を持した空爆が始まっていた。

村友軍陣地では、自慢の砲撃を次々に行うために空の備えは薄かった。
「弾薬を持ってこい!」
豪壮な指揮官の声が響く。

その時であった。

空から、フィアット爆撃機らしき影が見えたのである。

村友軍は、発見が遅れた。
しかし、見張りが機影を見つけたのである。

「敵機!!」

「なにいい!?」

慌てふためく村友軍の面々。

「対空射撃だ!」
手製の対空機銃架に村友達は駆け寄る。

「早くしろ!!」
「ハイ!!」

しかし、そうこうするうちに爆撃が始まる。
爆弾倉が開かれて、黒い爆弾が次々に投下されて行く。
パイロットは、なかなかの腕前だ。

ドカーン!!ドカーン!!
爆弾は次々に炸裂し、自慢の大砲は砕け散る。
「グワアー!!」
死傷者が続出する。地獄絵図だ。
「戦え、戦え!!」
村友は叫ぶ。
しかし、部下はそれに従わない。
「ヒョエーッ!!」
村友勢はバラバラに逃げ出した。

「クソー!!」

しかし、村友一人、機銃架にしがみついて射撃を開始した。
「させるかよ!!俺は貴様らを皆殺しにして、米大統領になるんだ!」
胸に秘めた野望を叫びながら、機銃を乱射した。
しかし、機銃の届く高度では無かったのである。

ついに、投下された爆弾が、村友の機銃架に直撃した。

ドッカーーン!!

そして、そこには、クレーターだけが残ったのである。

大将を失った村友軍は、歴史からその姿を消した・・・。




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